中(中正、平和の意味)医の視点から見ると、気は体のいろいろな所に分布することによって、それぞれな特徴があるが、気の機能としては次の五つが挙げられる。
(一)推し動かす作用
もし、気の推し動かす作用が弱くなると、幼いときでは、生長発育が緩慢となる。成人では、早期老衰、あるいは臓腑と経脈の機能減退となる。血と津液の生成不足と、輸送と排泄の障害なども引き起こす。
(二)温煦作用
もし気の温煦の作用が不足になれば、体温の低下、寒がり、四肢の冷え、臓腑の機能は衰弱、血と津液の運行の停滞などの寒性の病理変化が出る。
(三)防御(ぼうぎょ)作用
もしその作用は不足になれば、体の抵抗力が弱くなり、病気にかかりやすく、或いは病気の回復力が弱い。そのため、気の防御力は、疾病の発生と進行に密接に関わるわけである。
(四)固摂作用
もし、気の固摂力が減退なれば、自汗.多尿.小便失禁.涎が出るなどが見られる。また、臓器が下に陥ちることもある。胃.腎.子宮の下垂と脱肛などがその例である。
気は人体の生命活動を維持している最も基本的な物質である。
自然に生きている人間は、その生長と発育及び各種の生命活動を維持するために、絶え間なく周囲の環境から、物質とエネルギーなどの交換をしなけれんばならない。
より新鮮なエネルギーを体に吸い込み、代謝を通じて各種の生理機能を發揮し、健康な体を作れるわけです。
(五)気化作用
気化とは、気の動くことによって起こる各種の変化である。
例えば、腎は水液を調節することを腎の気化と言う、膀胱は尿液を調節する事を膀胱の気化と言う。
各種の生理機能は気化と称される。
もし気の気化が異常であれば、物質代謝の過程に影響を与える。
例えば、飲食物の消化、吸収や気血、津液の生成輸送、また汗液、尿液、便の排泄などに影響され、代謝異常を引き起こす。
したがって、気の源は充実であるかどうか、臓腑の機能は正常であるかどうか、全て気の生成に影響し得る。その中に、脾と胃の機能は最も重要である。
選自《新中医基礎理論》作者 韓 晶岩